異文化コミュニケーションとは?失敗例や成功のポイントを解説
2024.03.27
異文化コミュニケーションとは、異なる文化的背景を持つ人々と交流することです。異文化コミュニケーションの必要性や失敗例、成功のポイントについて解説します。
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異文化コミュニケーションとは?失敗例や成功のポイントを解説
異文化コミュニケーションとは、言語や価値観のほか、年齢、性別など異なる背景を持つ人々と交流することです。グローバル化に伴い、日系企業に勤めていても外国人とのコミュニケーションの機会が増えていますが、適切な異文化コミュニケーション方法がわからず、日本流のやり方を押し付けるなどして失敗してしまうケースもあるようです。
この記事では、異文化コミュニケーションが必要な理由や失敗する原因・失敗例のほか、成功させるためのポイントについて解説します。
異文化コミュニケ―ションとは異なる文化的背景を持つ人々と交流すること
異文化コミュニケーションは、単に異なる言語を話す人々とのあいだだけでなく、異なる文化的な背景(価値観や年齢、性別、職業、社会的地位)を持つ人々との交流を指しています。
異文化コミュニケーションの本質は、相手の文化的背景を理解し、摩擦や衝突を乗り越えて互いを知ろうとし、信頼関係を築くことにあります。
また、異文化コミュニケーションは外国人との交流に限定されるものではありません。同じ国籍を持つ人々とのあいだでも、例えば企業文化や、地域の独自性など異なる文化的背景が存在すれば、それは異文化コミュニケーションなのです。
異文化コミュニケーションの実現において、英語などの言語スキル習得は確かに重要な要素です。しかし、異なる文化的背景を持つ人々とのコミュニケーションを成功させるためには、適切なグローバルマインドセットも必要になります。
異文化コミュニケ―ションが必要な理由
現代社会において、異文化コミュニケーションが求められるのはなぜなのでしょうか。ここでは、異文化コミュニケーションが必要な理由について解説します。
日系企業のグローバル化
日系企業のグローバル化により、海外の取引先とのやりとりや外資系企業との資本提携が進められ、異なる言語や文化的背景を持つ人たちとのビジネスを日常的に行うようになりました。
日系企業の社員が、異なる文化的背景を持つ取引先やビジネスパートナーのことを理解し、適切なコミュニケーションを行って信頼関係を構築することは、企業の安定した収益を生み出すために必要不可欠といえるでしょう。
日本国内の外国人人材採用の活発化
厚生労働省が2023年1月に発表した「外国人雇用状況の届出状況について 」によると、2022年10月現在で、日本国内で働く外国人人材の人数は182万人以上となっています。これは、届出が義務化された2007年以来、過去最高の数値です。
少子高齢化に伴う労働人口の減少により、今後ますます日本国内の職場でも外国人人材の採用が活発化するでしょう。その場合、異文化コミュニケーションの重要性は必然的に高まります。
多様な人々が働く職場において、日本人社員が言語や文化的背景の違いを乗り越え、異文化への理解を深めながら適切なコミュニケーションを図ることは、職場内の生産性を高めたり、優秀な人材をつなぎとめたりすることにつながります。
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異文化コミュニケ―ションが失敗する原因と失敗例
日本人社員が文化的背景の違いを理解しないまま、異文化を持つ人々とのコミュニケーションを図った場合、うまくいかなかったり、トラブルになったりするケースがあります。
ここでは、異文化コミュニケーションが失敗する原因を、失敗例を交えながらご紹介しましょう。
言語のニュアンスの違い
日本語は、主語がなくても通じたり、同音異議語が複数あったりといった曖昧さを持った言語です。日本語特有の曖昧な表現は、異文化コミュニケーションにおいて誤解を招く原因となりえます。
例えば、何気なく発した「このデータの修正はいいですよ」といった表現が、「No(しなくてもいい)」なのか、あるいは「Good(良い)」という意味なのか、外国人にはニュアンスの違いがわからないことがあります。
また、「この条件は難しい(Difficult)ですね」といった言い方は、日本人にとっては「無理」「不可」を婉曲的に伝える表現です。しかし、よほど日本在住経験が長い人でもない限り、そのように理解してくれる外国人はまれでしょう。
特にビジネスにおいては、このようなハイコンテクストな文化を前提にして接すると、仕事に支障をきたすおそれもあるので注意が必要です。
ミスやトラブル時の対応の違い
仕事上でミスをした場合、日本では無用なトラブルを回避するために、まず「謝罪する」ことを重視します。しかし、異なる文化圏では権利意識の違いから、「間違いを認めず正当性を主張する」という対応をする人もいます。あるいは、「なぜ日本人は悪くないのにすぐに謝るのか」と疑問や不信感を抱く人もいるでしょう。
このように、異文化間ではミスやトラブルへの対応が異なるため、場合によっては誤解や緊張を生む可能性があります。
会議の捉え方に関する違い
日本人は会議やミーティングにおいて、あまり発言をしない傾向があります。「出る杭は打たれる」という文化的背景があることや、会議前後の根回し、相手の面子をつぶさないような配慮が重視されるためです。場合によっては、会議後に別途打ち合わせの場を設け、「あの会議では言わなかったのですが、いいプランがあるので相談してもいいですか?」と相談することもあります。
しかし、特に外資系企業では「会議で議論して決断する」ことが最も効率的とされるため、会議の場で発言しなかったり、ひとまず持ち帰って確認したりしていると「会議の場で発言しないような人材は能力がない」と判断されてしまうおそれがあるのです。
報告・連絡・相談に関する違い
日本では、不確実性を避けるため、マネジメント側が逐一「報告・連絡・相談(報連相)」させることに重きを置いている職場が多いでしょう。メール送信時にCC(Carbon Copy)の件数が多いのも日本の特徴です。
一方で、異文化のビジネスシーンでは個々人の自律的な仕事の進め方を重視するため、報連相は必ずしも重要だと考えられていないことに注意が必要です。海外駐在員が現地スタッフとのコミュニケーションを図る場合、頻繁に報連相が行われないことに戸惑いを覚えるかもしれません。
しかし、むやみに報連相を求めると、現地スタッフが「日本人社員は自分の仕事を信用していないから、マイクロマネジメントをするのか」と不信感やフラストレーションを抱き、結果的に離職してしまう可能性があります。
時間に対する感覚の違い
日本人のビジネスにおける締め切りに関する感覚は、多くの場合「時間厳守」であり、締め切りには「完璧な成果物を提出する」ことを重視しています。また、人によっては「5分前集合」など、指定時間より前に行動することを美徳としています。
一方で海外では、時間に対して柔軟な価値観を持っている人も一定数いて、締め切りを過ぎても成果物が提出されなかったり、指定時間に遅刻したりすることも多々あります。
さらに、「提出してから修正を加えればいい」と考えている人もいるので、結果として最終成果物のクオリティに関する認識のずれが生じてしまうことがあるのです。
プライベートに対する感覚の違い
日本では就業時間後の飲み会や、休日に開催されるイベントなどで本音を語り合ったり、打ち解け合ったりします。ところが海外では、就業時間外はすべてプライベートであり、家族や友人と過ごすことを優先し、仕事と明確に一線を引いているケースが多く見られます。
ですから、日本の感覚で就業時間外に食事に誘ったり残業を依頼したりすると、拒否反応を示されることが多いのです。
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異文化コミュニケーションを成功させるためのポイント
異文化コミュニケーションを円滑に進めるには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。続いては、異文化コミュニケーションを成功させるためのポイントについて解説します。
異文化の違いを理解し、受け入れる
異文化コミュニケーションにおいては、まず相手の文化的背景を理解することが重要です。異文化理解は、文化の多様性を認めることから始まります。
そして、違いがあることを認めた上で、その違いを受容し、尊重することがポイントです。「文化的背景が違って当然」「自分の当たり前は相手の当たり前ではない」という価値観で接して互いに歩み寄れば、相互理解が深まり、より良い関係を築くことができるでしょう。
わかりやすく明確に話す
異文化コミュニケーションでは、言語体系の違いによる認識のずれが起きやすいものです。わかりやすく明確な表現が、異なる言語を話す外国人との誤解を避けるポイントとなります。
やりとりでは曖昧さを極力排した、直接的な表現が効果的といえるでしょう。
価値観がぶつかったら否定せず、対話する
異文化コミュニケーションによって価値観が衝突した場合、一方的に相手を否定してはいけません。否定するのではなく、対話を通じて理解を深めることが大切です。その際には、相手に寄り添い、共感しながら話を聞こうとする傾聴の姿勢が求められます。
対話の際には具体的な目標を提示したり、ルールの根拠を丁寧に説明したり、場合によっては新たなルールをいっしょに作成したりすることで、合意形成を図っていきましょう。
異文化コミュニケーション研修を受けて備えておく
異文化コミュニケーションを適切に行うためには、事前に書籍を読んで知識を仕入れたり、異文化コミュニケーションに関する研修を受けたりすることも効果的です。
特に、異文化コミュニケーション研修を通じて異文化に対する理解を深めておけば、海外駐在時の現地スタッフや日本国内での外国人とのコミュニケーションが、よりスムーズにできるようになるはずです。
異文化コミュニケーション研修ならキャニング・アンド・アソシエイツへ
異文化コミュニケーションに失敗しないためには、日本人側に文化的背景の異なる人々を理解するマインドセットが必要不可欠です。一方で、外国人側にも日本の文化や商習慣のほか、日本人の価値観を知ってもらい、適切に対応するよう促す必要があります。つまり、双方向の理解促進が効果的なのです。
キャニング・アンド・アソシエイツでは、日本人向けのマインドセットとして、ビジネス習慣やコミュニケーション方法が異なる文化の存在を理解し、自分のメンタルダウン対策と異文化理解の方法を学ぶ「Bridging the culture Gap」のほか、「Working with French Partners」「Working with British Partners」「Working with Indian Partners」といった国別のメニューをご用意しています。
また、外国人向けのマインドセットには、「Working with Japanese Partners」というメニューを設けております。
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