英語のネゴシエーションで役立つフレーズは?交渉時のポイントも紹介
2024.03.29
ビジネスにおける交渉(ネゴシエーション)は相手との合意形成が目的です。ネゴシエーションを成功させるポイントと、交渉時に役立つ英語フレーズを場面ごとに紹介します。
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英語のネゴシエーションで役立つフレーズは?交渉時のポイントも紹介
ビジネスにおける交渉(ネゴシエーション)は、非常にタフな仕事のひとつです。とりわけ、英語を使って異文化の相手と交渉する場合、何をどう説明すればいいのか、どのようなフレーズを使って話せばいいのか、わからない人も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、ビジネスにおいてネゴシエーションを成功させるポイントと、英語での交渉時に役立つフレーズを、交渉のシチュエーションごとにご紹介します。
交渉(ネゴシエーション)とは利害関係者との合意形成を目指して話し合うこと
交渉とは、利害関係のある相手と合意形成を目指して話し合うことを指し、英語では「negotiation(ネゴシエーション)」といいます。ビジネスにおいては、取引先と契約条件や金額などについて交渉するだけでなく、社内の関係部署や上司などに対して「ネゴする」場面もあるでしょう。
そのような場において、ネゴシエーションスキル(交渉力)は極めて重要なスキルとなることは言うまでもありません。
注意したいのは、議論で相手を打ち負かす「ディベート」とは異なること。ネゴシエーションは相手と敵対的に向き合うのではなく、双方のニーズやメリットを認識しながら、互いに受け入れられるゴールに向けて、意見をすり合わせる必要があるのです。
なお、交渉することを英語では「negotiate」といいますが、価格などを交渉するときには、「bargain」を使う場合もあるので注意してください。
ビジネスのネゴシエーションを成功させるポイント
ビジネスにおけるネゴシエーションを成功させるには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。ここでは、ビジネスのネゴシエーションを成功させるポイントについて解説します。
ネゴシエーションの計画を立てる
ネゴシエーションの成功への道は、準備段階からすでに始まっています。大切なのは、「いつ、どこで、どれぐらいの時間をかけてネゴシエーションを行うのか」です。そのために、ゴールから逆算したタイムテーブルを作成しておきましょう。
また、ネゴシエーションを行う場所を自社で設けるのか、あるいは相手方の指定場所で行うのかといったことも重要なポイントです。
パワーバランスを見極める
ネゴシエーションにおいては、パワーバランスが大きな影響を与えます。ビジネスにおけるネゴシエーションの場では、「売り手」と「買い手」がいるのが一般的です。
仮に自分が売り手だった場合、強い態度で条件交渉を求めてくる買い手のほうが優位だと思いがちです。しかし、買い手側が強い態度で条件交渉してくるのは、この交渉を成功させなければ今後の事業が成り立たなくなると危機感を抱いているからかもしれません。その場合、交渉が決裂したら困るのは買い手のほうでしょう。
「どちらがより相手を必要としているのか」を考えながら、ネゴシエーションに臨むようにしてください。
アジェンダを活用して全体像を把握する
ネゴシエーション成功のポイントのひとつに、アジェンダ(議題)を活用して全体像を把握しながら交渉を進めていくということが挙げられます。
裏を返せば、全体像が見えないままでは、適切なネゴシエーションはできません。交渉の余地を残したアジェンダをきちんと用意すれば、論点や状況を整理しつつ、明確に議論を進めていくことができるでしょう。
交渉不調時の代替案を用意しておく
相手とのネゴシエーションが、どうしてもうまくいかないこともあります。その場合に備えて、代替案である「BATNA(Best Alternative To a Negotiated Agreement)」を用意しておく必要があります。
場合によっては「ネゴシエーションを取り止める」という代替案の承認も得ておけば、強気で交渉に臨めるでしょう。
視野を広げて想定外の状況に対応する
ネゴシエーションを少しでも有利に進めるためには、相手方の担当者のポジションや権限、担っているミッションなどについてのリサーチと、その相手とどのようにやりとりするかのシミュレーションも必要となります。
しかし、相手の主張や姿勢が予想以上にかたくなだったり、想定外の提案をしてきたりすることも起こりえます。
そこで重要なのが、視野の広さです。相手がさまざまな条件や契約内容の変更を申し出てきたときにも、俯瞰的かつ横断的な思考を持っていれば、適切に対応できるはずです。
カギとなる質問をする
ネゴシエーションにおいて、質問は極めて重要なカギとなります。事前にどれだけシミュレーションしていたとしても、予想とは異なる回答や反応が返ってくることがあり、その際に相手の意図や状況を理解するため、適切なタイミングで質問をする必要があるのです。
また、相手の真剣度を図る質問や、「実際のところ、何をお望みですか?」とあえて本質的な部分を聞く質問も、交渉の際に有効です。
相手の変化を見極めつつ交渉範囲を限定する
ネゴシエーションでは、互いがBATNAを提示しつつ、お互いができる限り利益を得ようとします。そこで重要なのが、「ZOPA(Zone Of Possible Agreement)」です。ZOPAとは「合意可能領域」という意味で、この交渉範囲に限定した上で、ネゴシエーションを進めていくことになります。
ZOPAの中で、単位や数量、納期などさまざまな範囲を考慮しながら、合意形成のポイントを探っていきます。そのためには、ネゴシエーションの入り口をどこに設定して相手に切り込むか、相手がそれに対してどう変化するかを注視することも重要です。
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英語でのネゴシエーション前のスモールトークで使えるフレーズ
英語でのネゴシエーションの前には、スモールトーク(世間話)を行います。スモールトークは、厳しい交渉の場を、ポジティブな雰囲気にするのに大変重要です。相手に信頼感を与え、リラックスした空気を作りましょう。
Thank so much for coming all this way.
「わざわざお越しくださり、誠にありがとうございます」
Have you been to Tokyo before?
「東京には来られたことはありますか?」
It’s chilly today, isn’t it?
「今日は肌寒いですね」
I think your tie is wonderful! That’s a nice shirt you have on. / I like your shirt.
「あなたのそのシャツ、とても素敵だと思います!」
This is my colleague (name). / This is (name) my colleague.
「同僚の(名前)も参加させていただきます」
提案したり提案を受けたりするときに役立つ英語フレーズ
英語でのネゴシエーションでは、まず交渉の材料となる提案内容について説明したり、相手から説明を受けたりします。その際には、下記のようなフレーズを用いて話しましょう。
Today we would like to explain our proposal.
「本日は、私たちの提案を説明させていただくつもりです」
Would you like us to summarise our proposal?
「提案内容について、ポイントをまとめてご説明します」
We will take a closer look at your proposal.
「御社の提案をじっくり確認させていただきます」
Could you tell us how you came to that conclusion?
「その結論にたどり着いた理由について、詳しく教えていただけますか?」
条件交渉するときに役立つ英語フレーズ
英語でのネゴシエーションの場で条件交渉をするときには、下記のようなフレーズを用いて具体的に交渉を行います。ぜひ参考にしてください。
We’re interested in what you have to offer but we’re concerned about the price.
「ご提案はとても興味深いのですが、価格が気になるところです」
If you were able to lower the price by 8%, we would seriously consider your offer.
「現在の価格から8%安くしていただければ、真摯に検討させていただきます」
Would you be willing to waive the transportation fee if we ordered XX amount?
「何個頼めば、運賃を無料にしていただけますか?」
We prefer to make the payments in three installments.
「支払いは3回に分けたいですね」
Would you be happy with A if we offered you B?
「もしB案を提案した場合、A案にご満足いただけますか?」
相手の条件に合意あるいは拒否するときに役立つ英語フレーズ
英語でのネゴシエーションの結果として、合意できる場合もあれば、まだ交渉の余地があり、相手の条件を受け入れられないときもあります。その際には、次のようなフレーズを用いて対応しましょう。
We agree to those conditions.
「これらの条件に合意します」
We agree on the compromise.
「妥協案に賛成いたします」
It would be difficult for us to agree on anything with your current offer.
「残念ですが、現在の提案では御社に発注することができません」
I am afraid we cannot accept that, are there any other possibilities?
「あいにくですが、その提案はお受けしかねます。ほかの可能性はございませんか?」
We see it differently. / We’ve got a different view on that.
「その件に関する我々の見解は、少し異なります」
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妥協点を探ったり、相手の条件に譲歩したりするときに役立つ英語フレーズ
ネゴシエーションでは、BATNAを提示して妥協点を探ったり、ZOPAを見極めながら相手の条件に譲歩したりすることも重要です。そのような状況では、下記のようなフレーズが役立ちます。
We need to find some middle ground on this. / We need to look for a compromise.
「この件に関して妥協点を見つけましょう」
We are prepared to make some concessions on this matter. / We are willing to compromise on issue.
「この件について、譲歩する準備はできています」
Here is what we propose. / We can offer you… .
「こちらが我々の提案です」
We cannot promise anything, but we’ll try to be flexible with the pricing.
「お約束できませんが、価格に柔軟に対応できるよう努力します」
We’ll need to speak to our manager before we can progress.
「この件については、弊社上層部に諮ってみます」
交渉の内容を整理して決定事項をまとめるときに役立つ英語フレーズ
ネゴシエーションの終わりには、交渉内容を整理し、決定事項をまとめます。場合によっては交渉がまとまらず、次回以降に持ち越すこともあるので、次のような英語フレーズで説明しましょう。
Why don’t we go over what we have decided today?
「今日の決定事項を振り返りましょう」
These are the terms we agreed on today. Could you please have a look through it.
「今日決定した事項は、下記のとおりです。ご確認いただけますか」
I believe we’ve made some progress in our discussions today.
「本日のディスカッションで、交渉をここまで進められたと思います」
We would like to schedule another meeting at 1:00pm on Friday (time/date). Would it be possible to meet again then?
「来週もう一度、お打ち合わせをさせていただきたいと思います。次の会合を金曜日に開きたいのですがいかがでしょうか?」
Regrettably we are unable to reach an agreement so we will leave it at that.
「合意形成できないままで恐縮ですが、いったん話し合いを終了させていただきます」
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ビジネスにおけるネゴシエーションでは、相手と敵対的に接するのではなく、あくまで双方の利益を認識しながら、互いが受容できるゴールに向かって、意見をすり合わせる必要があります。
とりわけ、異文化の交渉相手との英語を使ったネゴシエーションは、非常にタフな仕事のひとつといえるでしょう。異文化の相手と交渉するときには、何がルールなのか、誰も何もわからない状況も考えられます。この「ルールのないゲーム」でネゴシエーションを成功させるためには、相手が考えていることを理解する能力を育て、交渉の方法や交渉のスタイルに、柔軟性を持たせることが重要です。
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