フルオーダーメイドの研修で、若手〜シニア層社員の多様なキャリア支援に成功
- アンコンシャス・バイアス研修
- キャリア研修
- ダイバーシティ&インクルージョン
キャロウェイゴルフ株式会社
コーポレート・リレーションズ 人事・総務 ディレクター 井谷仁美様
導入したサービス
Diversity and Inclusion
規模
社員数297名
女性社員に多様なキャリアを歩んでほしい。
女性の管理職を増やすための意識改革と並行して、それ以外のキャリアを選ぶ女性についても同様に応援したかった。
女性社員の希望を明確化できた。
女性社員が自らのバリューを振り返り、今後のキャリアを見つめ直す機会を設けられた。希望が明確になったことで、今後進めていく変革の基礎が固まった。
理想通りの研修を、ゼロから形にしてくれた。
オーダメイドの研修を必要とした理由を教えてください。
私たちは既存の女性向けリーダーシップ研修に物足らなさを感じていました。多くのものは「女性も管理職を目指すべき」「女性のリーダーはこうあるべき」といった内容だからです。現実的には管理職を目指したい人もいれば、キャリアアップよりもワークライフバランスを大切に働き続けたい人もいます。「女性の活躍」と一括りにせず、多様なキャリアプランをサポートできる研修はないものかと思いあぐねていたときに、声をかけてくれたのがキャニングさんです。彼らは私たちの思いに共感し、ともにオリジナルの研修をゼロから組み立ててくれました。
どのような研修になったのでしょうか?
キャニングさんと話し合うなかで、研修の目的を「女性社員が今、何を考えているのかを明らかにすること」に設定しました。一人ひとりが自分のバリューや今後のキャリアを見つめ直す場を提供したかったのです。
具体的には、まず女性社員だけを対象とした研修を設け、キャロウェイゴルフ(以下、キャロウェイ)の抱える課題と価値を共有します。その上で個々が「今までどんな仕事をしてきたのか」「これから何を実現したいか」を、グループディスカッションを通じて言語化しました。
彼女たちの声は、後日開催した男性管理職向けの研修で共有されました。男女別日の開催にしたおかげで、本音の意見を引き出すことができたと思います。
決して妥協せず、最良のトレーナーを選び直してくれた。
参加者の反応はいかがでした?
非常に満足度が高かったです。特に講師の専門知識の豊富さ、ファシリテーション能力の高さを絶賛する声が目立ちました。実のところ講師の人選にはギリギリまで頭を悩ませました。一度は別の方に決まりかけたものの、キャニングさんの「より効果的な研修にするために」という判断で、直前に変更。フタを開けてみればこれが大正解でした。キャニングさんの妥協を許さない姿勢が、研修を成功へと導いてくれたのだと思います。
女性社員の声で印象的だったものは?
彼女たちのほとんどが「お客さまにより優れた製品をお届けすることで、ゴルフをもっと好きになってもらいたい」と考えていることが印象的でした。キャロウェイが築いてきた価値観が、しっかり共有されていることがわかり嬉しかったです。
一方で、彼女たちの不安や不満も明らかになりました。これを組織としていかに改善するかが、今後の課題です。弊社の代表はよく社員に「Be happy to work(=仕事を通じて、もっとハッピーになろう)と声をかけます。性別に関係なく、誰もがハッピーに働ける環境を整えることで、この言葉を現実のものとしたいですね。
誰もがハッピーに働くことで、より良い会社に。
今回の研修によって社内にどんな変化が起きることを期待していますか?
すべての社員が「性別に関係なく、誰もが望んだキャリアを歩める」と心から感じてくれたら嬉しいです。弊社の創立者であるイーリー・キャロウェイは「社員全員がプロフェッショナルであれ」という言葉を残しています。私も同感です。管理職を目指す女性は管理職として、バックオフィスで働く人はバックオフィスで。それぞれのポジションで、プロフェッショナルとしてキャリアを重ねてほしい。今後は個々が理想とするキャリアに応じて、さらにきめ細かな研修を重ねていくつもりです。その際にも、キャニングさんの力をお借りできればと思っています。
こうしたステップを踏んでいけば、自然と女性の管理職は増えていくでしょう。誰もがハッピーに働ける職場づくりを進めることで、組織の生産性は高まり、離職率は下げられるはずです。長期的に見ればブランドイメージの向上にも寄与するはず。今回の研修を第一歩として、私たちはさらなる成長を目指します。
女性社員の声
参加型の研修のため、すべてが実践的だった(西山様)
研修の感想を教えてください。
西山:
とても刺激的でした。仕事仲間と意見を交わす参加型の研修だったので、すべての取り組みを自分ごととして受け止められました。
川田:
誰もがストレスなく発言できたのは、講師の方が巧みに場づくりをしてくれたおかげです。生物学や心理学の専門知識を交えながら、どんどん場を盛り上げていたのが印象的です。一人ひとりの考えを付箋に書いて壁に貼っていくワークも新鮮で、社内に多様な意見がある様子が一目瞭然でした。
保坂:
同感です。本当にさまざまな意見があがりました。大切なのは、違いを解消することではなくて、どうやって全員がハッピーになるかです。ていねいにコミュニケーションを重ねるしか解決策はありません。研修中にも、他部署の方と対話をするなかで、部署間で抱えていた問題があっさり解決する場面がありました。話してみれば実に簡単。そうとわかったことは有益でした。
川田:
「どんどん意見を言ってもいいのだ」という雰囲気が社員同士で共有できたことも、今回の研修の成果だと思います。これをきっかけとして、社内のコミュニケーションが、もっと活発になっていくでしょう。私も変に縮こまらず自分の考えをどんどんオープンにしていきたいです。
定年までキャロウェイで勤め上げたいと思った(保坂様)
研修を通じてほかに感じたことはありますか?
保坂:
キャロウェイのことがもっと好きになりました。「管理職を目指すも目指さないも、あなたたちの自由。すべての考えを尊重します」と明確に発信してくれたことがとても嬉しかった。「この会社で定年まで、ハッピーに働き続けたい」と改めて思いました。
西山:
確かに、この繁忙期に丸一日を割いて、こうした機会を設けてくれるなんて、会社が私たちのことを真剣に考えてくれている証です。人材育成にこれほど力を入れてくれることを思うと、本当にいい会社ですよね。
積極的にキャリアアップしたいと思うようになった(川田様)
今後どういったキャリアを歩みたいですか?
保坂:
私はまだ決まっていません。管理職を目指したい気持ちもありますし、得意な分野で頑張りたいという気持ちもあります。いずれにしても、たゆまず努力を続けたい。どちらの道を選んでも会社がバックアップしてくれるとわかり安心しました。
川田:
私はキャリアアップのチャンスがあれば、積極的にトライしていこうと思っています。まずは所属しているチームでリーダーシップを発揮していきたい。私たちのチームには優秀なメンバーが集まっています。みなさんの力を引き出すには、誰かがそれを引っ張らなくてはなりません。それが今後の私の果たすべき役目だと感じています。
西山:
私もキャリアアップしたいですね。研修を通じて「女性の私にはできない」という無意識の思い込みが、自らの可能性を閉ざしていたことに気づきました。そうした偏見を捨てて、もっと成長したい。まずはセールスチームの一員として、ひとりで取引先を担当することを目標にしていくつもりです。
男性管理職の声
最大の収穫は「無意識の偏見」を自覚できたこと。
今回の研修を通じて、どんな気づきがありましたか?
女性社員との意識のギャップを痛感しました。私のような男性管理職は、労働環境の良し悪しといえば「残業量」や「コミュニケーションの取りやすさ」などで決まると考えがちです。ところが、女性社員は「ランチの場所がすぐに見つかる」「トイレが清潔」など、思ってもみない観点から労働環境を評価していたのです。これらはあくまで一例ですが、自分の考えが一面的なものに過ぎないと気づかされました。
ほかにも収穫はありましたか?
「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」について学べたことも収穫です。恐らくこれまでにも、私の無意識の偏見によって、さまざまな場面でコミュニケーションに齟齬をきたしてきたはずです。今後は「それくらいわかるだろう」という思い込みを捨てて、正確に意図を伝えます。「この人はこういう人だから」という決めつけもやめて、相手の言葉に真摯に耳を傾けたい。これら基本を徹底していこうと思います。
女性社員のモチベーションが圧倒的に高まった。
研修後、社内に変化はありましたか?
私の部署の女性社員は、研修後に仕事に対するモチベーションが高まったといいます。これは部署間を横断してディスカッションするワークで、個々がこれまでの仕事を振り返ることができた効果です。
研修では「自分たちがどんな仕事をしているのか」を発信したら、すぐさま感謝のコメントが並びます。たとえば「私の仕事が成立していたのは、あなたのおかげ」などと、みんなが相互に評価し合いました。社員同士のリスペクトを育む意味でも、素晴らしい取り組みだったと思います。
キャロウェイにとって、今回の研修はどういった意味をもちますか?
「多様なキャリアアップを支援する」というメッセージを全社に発信できたことに、大きな意味を感じています。ちょうどキャロウェイは、他ブランドの経営統合を前向きに行い、アパレルブランドを新たにふたつ立ち上げたところです。その結果、社内にはさまざまなバックグラウンドを持つ人が増えています。だからこそ多様性を認める土壌を作らなくてはなりません。今回の研修による意識改革は、文字通りその礎になると感じています。